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コンサルタント(経営戦略) 岡村 亮佑

インフラ事業会社の海外事業をどう組み立てるか。
海外展開がもたらす価値を示し
企業の長期戦略を支える。

岡村 亮佑 Ryosuke Okamura

経営コンサルティング部
政策創造学部卒業

初の海外事業へ、社内の意思を統一し具体的な一歩を踏み出したい。

公共性の高いインフラ事業を国内で展開する大手企業が、安倍内閣が掲げる日本の成長戦略の大きな柱のひとつであるインフラ輸出へと歩みを進めようとしていた。しかし、海外事業の実績は乏しく、社内に海外事情に明るい人材もいない。どの国にどのような形で進出するのか、そもそも海外進出に必然性があるのか、その第一歩から一緒に検討を進めたいという要望があった。さっそくみずほ総研の経営コンサルティング部5名で構成する担当チームが結成された。

本当に海外に出る必要があるのか。
まずは社内の意思統一が必要だった。

コンサルタント(経営戦略) 岡村 亮佑

チームの責任者に上司が着任、私はプロジェクトマネージャーとして3人のメンバーとともに業務を担うことになった。先方の大手インフラ事業者側では、海外プロジェクト推進チームとして6人が選ばれている。しかし、最初の打ち合わせで私たちが知ったのは、「海外に出る」という明確な意思統一が、社内はおろか担当チーム内においても、まだでき上がっていないということだった。長年にわたり公共性の高いインフラ事業を展開してきた企業であり、多くのステークホルダーが存在するという事情にもよるのだろう。決して悪い意味ではなく、保守的なのだ。私たちは一方でアジア各国の現地調査に着手し、どの国にどのような形で進出できるのかの検討を始めると同時に、なぜ今この会社が海外に出るべきなのか、それによってどのような価値を創造することができるのか。根拠をしっかりと示し、それを企業内の統一された意思にしなければならないと考えた。

現地調査を踏まえ、対象国を3カ国に絞り込む。
並行して“国内派”との議論を継続した。

コンサルタント(経営戦略) 岡村 亮佑

アジア各国のインフラ事情や市民生活の実態、外国企業に対する法規制、関税制度や日本との外交関係まで、あらゆる情報を文献の検討や国内でのヒアリング、さらに現地調査で集めながら、私たちは進出先の候補を東南アジアの3カ国に絞り込んだ。さらにそれらの国で期待されるインフラの概要や進出する場合の組織形態などについて検討を重ねた。同時に、懸案であった海外進出の意義や必要性についても議論を進めた。社内では慎重論が根強い。「リスクを負って海外に出る必要はない」「国内で築いたインフラを安全・確実に運用することこそわれわれの使命だ」「国内需要の拡大が見込めないなら、遊休資産を活用した不動産事業を展開してはどうか」というのが代表的な声だ。しかし、本当にそうか。人口減少に向かう現在の日本において、インフラ需要の拡大を期待することはできない。建設したものの保守・運用は重要な任務だが、新規の建設工事抜きに技術を継承し、企業としての活力を維持していくことは難しい。自社の技術と組織を守り、発展させていくためにも、インフラのニーズが大きいアジア市場への進出は欠かせないのではないか――経営コンサルタントとして私たちはこのような見解を詳細な資料とともに示し、先方のプロジェクトチーム内での議論で、保守的な見解をもつ役員とは個別に面談する機会を設けながら、社内世論を醸成していった。

インフラ建設を通して相手国の市民生活の向上を実現。
企業の発展と日本経済の成長にも貢献していく。

コンサルタント(経営戦略) 岡村 亮佑

私たちがコンサルティングを開始して1年後、候補として挙げた3カ国への進出は経営層の承認を経て、具体化させていくことになった。それぞれの国情やニーズに合わせ、10年から20年の長期のロードマップを作成、視察や相互訪問による人材交流や日本のモノづくり文化や先端技術の紹介、さらに技術協力や運営支援など、できるところから海外事業の展開を図っていった。また、将来の本格的な進出に備え、現地財閥や政府関係者の意向確認や人的な交流、プロジェクトに関するフィージビリティスタディ(実現可能性の詳細な調査)やジョイントベンチャーを組む可能性のある現地企業に関するデューディリジェンス(対象企業の詳細な調査)を進める。さらに進出時には、総合商社、グループの関連企業などと一緒に動くことになる。彼らの意向確認も欠かせなかった。

もうひとつ私たちが提案したのは、人材育成への取り組みだった。今後どのように海外業務を担う人材を育成し、あるいは外部から採用するのか、海外事業展開にふさわしい組織作りは大きな課題だった。
日本の高い技術力を背景にしたインフラ建設が相手国の社会基盤整備を実現し、市民生活の改善や国の発展に大きく貢献することは言うまでもない。クライアントの新たな海外事業戦略を支え、その企業価値を高め、それを通して日本の成長戦略に貢献する――経営コンサルタントとして大きなやりがいのある仕事である。

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